聖務日課とミサ

 グレゴリオ聖歌は大きく分けて、聖務日課用とミサ用に分けられます。聖務日課(オフィチウム)とは、ユダヤ教の習慣に由来する、キリスト教の司祭たちが行う最も古い祈りの儀式で、決められた時間に一日に8回(朝課、賛課、一時課、三時課、六時課、九時課、晩課、終課)執り行われます。聖務日課では、詩篇の朗唱、聖書の朗読、賛歌の歌唱などにより祈りが捧げられます。

 一方、ミサとはキリストの最後の晩餐を記念してキリストの血と肉を象徴するブドウ酒とパンを信徒が拝領するキリスト教独自の儀式のことです。ミサ用の聖歌は、通常文を歌うものと固有文を歌うものとに分けられます。ミサ通常文はキリエ(あわれみの賛歌)、グロリア(栄光の賛歌)、クレド(信仰宣言)、サンクトゥス(感謝の賛歌)、アニュス・デイ(平安の賛歌)の5章からなり、典礼の内容にかかわらず同じ言葉で歌われます。ミサ固有文はクリスマスや復活祭といった特定の祝日のためのもので、イントロイトゥス(入祭唱)、グラドゥアーレ(昇階唱)、アレルヤ唱、セクエンツィア(続唱)、オッフェルトリウム(奉納唱)、コムニオ(聖体拝領唱)などがあり、典礼の内容によって言葉が変化するものです。

 グレゴリオ聖歌では、ミサ通常文には典礼の内容ごとに幾通りもの旋律がつけられていますが、ミサ固有文は旋律も固有のものとなっています。このうち、特にミサ通常文は重要なもので、後世の作曲家の多くが、この通常文をテキストとしてミサ曲の作曲を行っています。

 
【参考音源】
○グレゴリアン・チャント
  演奏:シロス修道院合唱団

こちらもグレゴリオ聖歌の主要な旋律を要領よく集めているので、ソレーム修道院盤とともにコレクションに加えておくと良いと思います。ソレーム修道院盤には入っていなかった聖務日課のための聖歌も収められています。
posted by バニラ at 00:28 | TrackBack(0) | 中世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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